登り慣れたはずの山に息子と登山...はきつかったけど、最高の思い出とこれからの人生

 

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香港在住のわたしは夏になると帰省します。

いつもなら香港の家族...わたし、旦那、息子、娘の4人と

実家でいつも待ってくれていた母と父の喜ぶ顔がうれしい夏の帰省。

 

しかし、今年は4月に母が癌との闘病の末に天国に行ってしまいました。

夏に実家に戻っても母にはもう会えない。

わたしにとっては昨年9月の母の闘病の時から今回の実家への帰省は5度目に。

息子は日本の大学に進学したため、実家に居候をしている。

 

父は、母が他界した後はすっかりと意気消沈してしまい、

孫とおじいちゃんとの2人暮らしを心配しながらの実家への帰省でした。

 

前回、父と息子と会ったのは2か月前。今回は父も少し落ち着いているように見え、笑顔も増えている。母がいないということに慣れたせいもあるけれど、母の死を乗り越えて自分も頑張らなければいけないと心から思えてきているようで...娘としてはとてもうれしかった。

 

夏休みに入ったとはいえ息子は、大学やバイトにと忙しかったのだけど、一日だけスケジュールがあった日があったので、この時ぞとばかりに息子と『登山』に行ってきました。

 

この山は、地元大阪の人たちに親しまれている山で、金剛山。標高は1,125m。小学校の時から幾度となく登っていて、若い頃は余裕で登れる山でした。数年前にも登ったけど、「少しきつかっただけ!大丈夫。」自分に言い聞かせるようにやってきた登山口。

 

しかし、今回は訳が違ったようでした。登山口から山に入るとすぐに急な階段が続く登山道になり、わずか3分ほどで息が上がってきました。こんなはずでは...と思ってももう遅い。登山は始まった。ロープウェイで登らなかったことを大きく後悔することに…

 

息子は足早に駆け上がっていくんだけど、体力の差は歴然。一緒に登るのはあまりにも過酷すぎる。息子が要所要所で待っていてくれてたのですが、わたしは頂上に登れる自信がなくなってきました。

 

息子曰く、その時の私の顔は悲壮そのものだったそうです..。私自身、写真も撮ろうと思っていましたがそれどころではありませんでした。

 

2合目ぐらいに来た時に息子に「先に頂上行って、待っていてちょうだい。」とお願いしました。マイペースで登ってはいるものの、待ってもらっていると思うと心が逸(はや)るのです。

 

ゆっくり登っていても辛く、本当にゆっくり登らなきゃ万が一のことがあるかもしれないとも思いました。本当に山で倒れてしまうかもしれないと思う程辛かったのです。

※本当は登山は一人は危険です...特にこんな時は...

 

そのうちに深呼吸がしにくくなり、耳が痛み出し、多くの人たちに抜かされていきました。.体の限界???と思うような状況。

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まだ、3合目ほど。引き返すのもゴールに向かうのも自分次第でした。でも、ここで止まるのは、引き返すのは後悔する

 

杉の木を見上げ、上の登山道を見上げ、自分に「マイペース、一歩ずつ遅くても進んでいこう...」そんな風に自分に言い聞かせながら登っていた時、自分の今までの人生、これからの人生のちょうど分岐点にいるように感じました

 

登山のようなこの道...

長く険しく感じるこの道、

息が切れ「もう駄目だと思う時」、

肉体の限界を感じるとき、

困難な時...

周りに誰もいないとき...

ひとりきり...

取り残されたと思う時でさえ...

わたしは歩んでいかなくてはいけない。

 

その時に吹いた強風は誰もいない道では少し怖く感じるほどでしたが、

次に、その山の冷たい風がわたしを優しく撫でてくれましたように感じました。

 

 不思議なことに、その時「これからの道も険しいことがあるけど、負けちゃだめだ。

ゆっくりでもいい。止まらないで最後まで行こう。最後まで。」と思いました。

 

登山の途中、息の上がる私にたくさんの方が声をかけてくれました。

 

70代後半を過ぎているとみられるおばあちゃんに抜かされて「頑張ってね!」と言われた時は、少しばかり情けないと思ったけど...正直自分の運動不足は知っている。

仕方がない。これから体力づくりを頑張ろと真剣に思いました。

 

その中で男性が「少し先に休憩所があるけど、そこでは休まないようにね。

余計に体がきつく感じるから、少しずつ、ゆっくりでもいいから、座らないで前に進みなさい。」と声をかけてくれました。

 

この言葉は本当に助かりました。実際に休憩をしてしまっていたら後の登山も大変だったでしょうが、本当のことを言うと...近頃のわたしの実生活は厳しく「なんでこうなんだ!!!」と思うことがいくつかあります。

 

でも、「そこにだけ目を留めるのではなく、進んでいかなきゃいけない。そこにとどまるのじゃない!男性のその言葉がそんな風に聞こえました。」不思議ですね。

この登山の途中でも...「また乗り越えられる。」そんな風に思えたのです。

 

 山登り...

 

正直、あんなに苦しい状況になるとは思ってみませんでしたが(´艸`*)

でもね、登り切って...素晴らしい景色を見たときに感動しました。

そして、あれだけ苦しかったのに登ってきた自分を褒めてあげたいと思いました。

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頂上の休憩所。ここはいつもオアシスのような場所です。

 

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 やった!頂上から見る風景!

 

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 大阪湾・六甲山も見えます!わかりますか?

 

小学校の時から登っていた山ですが、こんなに遠くまで見渡せたのは初めてのことかもしれません。大阪、和歌山、奈良方面360度を見渡すことが出来て、大阪湾、神戸の方まで見ることが出来ました。

 

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※むすこ記念撮影写真!

息子が撮った母の記念写真はまだもらっていない(*´з`)

 

「きれいやね。本当につらかったけど頂上まで登ってきてよかったわ。」

それを聞いている息子は写真を撮っていましたが、私を合計で1時間以上待っていたようです。

 

頂上で2人でおにぎりを食べました。頂上から見渡すこの風景に「山を登る人たち」の気持ちがほんの少しだけわかったような気がしました。1000m級の山なので難度は高くはない山と言われる金剛山ですが、今回だけは本当に厳しいものでした。

 

大げさかもしれないけど夏のあの山を登ったことによって、

わたしは、人生を諦めずにゴールまで走り着ることが出来る。何でもできる!

そんな自信と励ましをもらいました。(単純やね)

 

帰りの下り道は、息子とゆっくりと景色を楽しんで下山しました。

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 登りの苦しさとはうって変わって、景色を楽しむ余裕さえあります。

 

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和歌山、奈良方面

 

 

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下山道途中...

 

夕方に家に着き、もう、父や息子の為に晩御飯を作る気力もなく

その日の晩は、実家に戻ると必ず行く王将へ...

大好きな餃子とビール!他にもたくさん。

わたしたちの土産話を聞く父の顔にも笑顔があふれ、とてもいい 時間を過ごすことが出来ました。

 

香港へ戻ってきた今週。

香港の家族も私のことを待っていてくれました。ありがたい。

 

そして、今、離れて暮らす父と息子を思い、

この夏のことをひとたび思い出し書いています。

来年の夏もこうやって皆、笑顔で会いたいと。

それが母の望みでもあったから...

 

この登山という機会に、

不思議と人生真面目に考えた。

なにも変わっていないけど...

新しい歩みをこの9月からしようと心に決めた夏の登山の思い出でした

 

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 小さい秋は、山にたくさんありました。